やまんばの会のミッションを達成するために4つの取り組みを行っています。


里山の保全活動

やまんばの会は、里山の保全を目的として様々な活動を展開しています。「保全」とは、自然に対して人が手助けすることにより、より良い自然環境をつくりだすことを言います。不用木を伐った明るい森には多様な自然が蘇るのです。

米原市日光寺地区を中心として23ヘクタールの里山を森林所有者からお借りしています。(将来計画は120ha)ここが、私たちの活動拠点「やまんばの森」です。

やまんばの森には、コナラ・アベマキなどの落葉広葉樹、枯れ果てつつあるアカマツ、カシ類・ソヨゴ・ツバキなどの照葉樹(常緑広葉樹)、スギ・ヒノキ(針葉樹)の人工林、竹などが生えています。

里山の保全作業は年間を通じて行いますが、天然林、人工林などそれぞれの植生と目的に応じた手入れを行うようにしています。どのように手を入れるかは、その森を何に利用するかによって変わるのです。
中心となる作業は不用木などの除間伐であり、択抜(抜き伐り)か小面積皆伐を行うことで、明るい森にします。同一の伐採方法によらず、森全体としてモザイク的な状況を作り出すようにしています。森の中にいろんな条件をつくることで、すめる生き物の種類も増え自然環境が豊かになると考えています。

■やまんばの森・間伐作業

竹林の間伐

里山資源の活用

伐った木をいかに活用できるか、里山を楽しみながら暮らしに取り戻せるかが、ポイントです。伐った木のほとんどは薪にします。里山はエネルギーを生み出す源であることを知るプログラムの一環として、手作りのピザやパンを石窯で焼く際の燃料になります。
また、冬にはやまんばの家にある薪ストーブの燃料になります。細い枝やツルはチップにしてカブトムシの寝床になったり(落ち葉をかいて一緒に混ぜます)、歩道の舗装材として使います。その他、量的には少ないですが、テーブルやイス・クラフトの材料、シイタケ栽培のホダ木として使っています。

希少種を守る活動

やまんばの森の保全活動を行って丸3年目の春に、ギフチョウが姿を現しました。ギフチョウは明るい林床に生えるカンアオイ類(幼虫の食草)を好んで産卵します。希少種の生育しやすい環境を積極的につくり出します。




自然体験・環境教育の支援 【やまんばの森学園】

私たちの世代がどのようにして取り組むのかを考え実践すると同時に、次の世代を担う子ども達が里山保全体験を通して環境を守ることの意味を理解するプログラムを展開しています。子どもから大人までのグループを幅広く受け入れます。主に、地域の社会教育団体や子ども会・他のNPO団体を受け入れ、協働で活動を行う形態をとっています。やまんばの森の中に「モッコの谷」と名付けた専用フィールドを設けており、子ども達は木を伐ることの意味と自然の守り方を学びます。ターザンごっこやフリータイムでの光る泥団子づくり、ザリガニつりも大人気で、子ども達の表情が輝きます。やまんばの会では、この取り組みを「やまんばの森学園」と名付けました。



■モッコクラブ




活動の理念

画像をクリックすると拡大します


4つの活動はどこから始まってもいいのです。
自分はこれをやりたいということを持ち込むことが、森を蘇らせることにつながって行きます。
例えば、「木や落ち葉を使いたい」から出発しますと、
木を伐り明るい森にすることで豊かに生き物の住む環境が蘇ります。
やがて人にも心地よい森を、空間の資源として利用するところへとつながります。
このような森の好循環が生まれます。
そして、人が関わりながら豊かな自然環境を守りつづけるためには、これらを次世代に伝えていくことが不可欠なのです。このようにして活動の環も循環していきます。