第1回 やまんばの森 里山体験レポート 2010年6月19日・20日 梅雨の合間、みんなで里山を体験してきました!

1日目 やまんばの森到着

てるてる坊主をお守りにしながら、朝9時、集合場所のJR米原駅に集合。バスに乗っていただき、同じ時間を共有する仲間と対面しました。ここで、やまんばの会の廣瀬さんとハウスウェルネスフーズの丸山よりご挨拶しました。

ほどなくして、米原市日光寺地区にあるやまんばの森に到着。やまんばの森の山小屋前で、スケジュールの確認などのオリエンテーションを行ないました。

自然観察

最初のプログラムは、山小屋周辺の自然散策です。このところの雨で足元が滑りがちでしたが、自生するワサビやササユリなどを見ながら、30分ほど周囲を散策し、明るい森と暗い森、その違いを実際に感じることができました。

明るい森には、地面に草が生え、生き物が育ちます。暗い森には、竹がおい茂り、あまり光が入りません。木も息苦しそうです。昔は、地元の人の生活に欠かせなかった里山も、今ではあまり人が入ることがありません。こうして里山がどんどん荒れ、暗い森になっています。そんな里山をもう一度再生させたい。そのためには何をしたらよいのか。廣瀬さんの話にみんなが引き込まれていきます。

森の手入れ体験

明るい森にするには、不要な木を適度に切って森の手入れをすることが必要です。説明を受けて、参加者全員で伐採を体験してみました。白い目印がついた木をノコギリで切ります。小学生もお母さんに手伝ってもらって汗だくになって木を切りました。

切ってみると、急に広がる空。森がぱっと明るくなりました。明るくなった山の斜面には、ドングリから芽が出ていたり、タカノツメ、サルトリイバラやうるしなど様々な草木が生えていることが確認できました。切った木は薪ストーブの薪にしたり、チップ(木片)にします。

ピザ・パン作り

木の伐採を終えて山小屋に戻り、みんなでピザのトッピングのせに挑戦。パン・ピザ生地作りは、やまんばの会モッコクラブの子どもたちが手伝ってくれました。地場野菜やツナ、チーズをのせたピザは、石窯の強力な火力であっという間に焼き上がりました。里山の中で食べる香ばしいパンとピザのおいしさに自然と笑みがこぼれます。

食後は、子どもたちが中心となってザリガニ釣り。えさをつけてもつけなくても、釣れるは釣れるは、結局小一時間で100匹以上のザリガニが釣れました!

午後は、マイ箸作りと森の散策の二手に分かれて体験活動を行ないました。

竹でマイ箸づくり

竹を小刀で削って、好みの細さにするのがポイントです。名人の指導を受けながら、参加者は黙々と竹を削ります。仕上げにやすりをかけて、およそ小一時間で素敵なマイ箸が完成しました。

森の散策

午前中に自然を観察した森の更に奥へと進みます。小さな虫が原因で立ち枯れた木、美しい花を咲かせる藤が大きな木を倒すほどの力を持つことなど、森には不思議がいっぱいです。途中急な上りもありましたが子供たちは元気に駆け上って行きます。散策の途中で廣瀬さんや参加者から植物について色々と教えていただきました。楊枝に使う黒文字、蚊取り線香の代用に使われたネズミサシ、説明を聞かなければただの草木にしか見えなかったのに、里山と生活の関わりが驚きと共に実感されました。まもなくゴールの神社に到着し、一時間半の散策は終了です。

ふりかえり

やまんばの森での活動を終え、一日をふりかえりました。木を切るのは良いことなのか、悪いことなのか?廣瀬さんの問いかけに、参加者が自分の気持ちを語りあい、みんなで里山を考えました。

心配された天気も、曇り空の合間から時折陽が射すこともあり、気温も寒すぎず暑すぎず、快適な状態で活動することができました。 短い時間でしたが、とても有意義な時間を過ごせました。日帰り参加の方はここで解散です。お疲れ様でした。

ジョイいぶきにて薬草風呂入浴

宿泊組はバスで30分ほど移動し、伊吹山のふもとにある健康施設「ジョイいぶき」にて薬草風呂に入りました。

古来より伊吹山周辺では薬草の栽培が盛んだったということで、お風呂にはトウキ、テンピ、シャクヤクなどの薬草が入っており、疲れた体にじーんとしみました。

ふりかえり

入浴を終え、宿泊場所へ移動しました。男性は「瑞雪館」、女性は「大門坂荘」に泊まりました。いずれも、米原市大久保集落にある築100年を超える古民家で、「伊吹の源流を考える会」のご協力を得て宿泊しました。この近くには長尾護国寺(惣持寺)があり、琵琶湖の源流姉川が流れるとても静かな集落でした。

少し休憩してから夕飯の準備にとりかかります。今回は、小学生の女の子5人が参加してくれたのですが、彼女たちは珍しい囲炉裏に大喜び。そして山椒味噌作り、ガラタテ餅作りと夕食作りの戦力としても大活躍でした。

中でもふなずしは、始めて食べた人も多く、その独特の香りと食感に話題が集中しました。地元でもお祝いの席でしか食べられないご馳走だとか。じっくりと囲炉裏の炭火で焼いたイワナもおいしくいただきました。地元の食材をたくさんいただくことができ、参加者一同、忘れられない夕食になりました。

ジョイいぶきにて薬草風呂入浴

夜もすっかりふけたところで、「伊吹の源流を考える会」代表の谷口隆一さんの案内で、蛍観察にでかけました。地元の人しか知らない蛍の生息地を教えていただき、ビックリするほどたくさんの蛍を見ることができ、感動的な夜となりました。蛍の活動時間帯や雄雌の行動の違いなど、蛍の珍しい生態の話も伺うことができました。谷口さん、ありがとうございました。

「大門坂荘」に戻り、スライドを見ながら、廣瀬さんからやまんばの会についてのおはなしを聞きました。やまんばの会では、里山の保全、里山資源の利用、稀少種の保護、自然体験教育の支援の4つの取り組みを続けていらっしゃいます。 この後、参加者同士で懇談した後、就床しました。

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